🌅 朝の経済ブリーフィング|2026年7月15日ASMLは上昇、Micronは急落。AI半導体株に何が起きているのか?

投資・資産運用

2026年7月16日 朝のマーケットニュース

おはようございます。

昨夜の米国市場を一言で表すなら、

「株式市場は上昇した。しかし、半導体株の中では明暗が大きく分かれた一日」

でした。

ダウ平均は0.29%高、S&P500は0.38%高、ナスダックは0.62%高

米国株全体を見ると、比較的落ち着いた上昇相場でした。

その背景にあったのが、米国の物価指標です。

米PPI低下で金利への警戒感が後退

6月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、前月比で0.3%低下しました。

市場が安心した理由は単純です。

物価上昇の勢いが弱まれば、FRBが金融政策をさらに引き締める必要性も低くなる。

つまり、

「金利が再び大きく上昇する可能性が少し低下した」

と市場は判断したのです。

金利への警戒感が和らいだことで、ハイテク株を中心に買いが入り、ナスダックの上昇につながりました。

しかし、ここで少し不思議な動きがありました。

ナスダックは上昇。それでも半導体株は弱かった

昨夜の主な半導体関連株を見ると、

ARMは約1.5%下落

Micron Technologyは約7.9%急落

一方でNVIDIAは約0.3%上昇、Broadcomは約1.3%上昇しました。

そしてASMLのADRは約2.2%上昇

同じ「AI・半導体関連株」でも、株価の動きは完全にバラバラです。

ここが昨夜の市場を見るうえで、最も重要なポイントだと思います。

今の市場は、

「AI関連株なら何でも買う相場」ではなくなってきています。

投資家は企業ごとの業績、成長率、株価の割高感を以前より細かく見始めています。

ASMLのニュースが示した「AI投資はまだ終わっていない」

昨夜、特に注目されたのがASMLです。

ASMLは2026年の売上高見通しを430億〜450億ユーロへ引き上げました。

第2四半期の売上高は約93億ユーロ、純利益は約29億ユーロとなり、AI向け半導体需要を背景に強い業績を示しました。

さらにASMLは、EUV露光装置の生産能力拡大を進めています。

これは非常に重要なニュースです。

なぜならASMLの装置は、最先端半導体を製造するために欠かせない存在だからです。

もし世界の半導体メーカーが、

「AI投資はもうピークだ」

「これ以上設備投資を増やす必要はない」

と考えているなら、ASMLの装置需要がここまで強くなるでしょうか。

私は今回のASMLの発表から、

AIの設備投資サイクルそのものが急激に終わったわけではない

と感じています。

AIデータセンター、先端ロジック半導体、HBMを含むメモリー。

そのための設備投資は、まだ続いている可能性があります。

では、なぜMicronは約8%も下落したのか

ここで疑問が出てきます。

AI投資が続いているなら、なぜMicronは急落したのでしょうか。

Micronは今年、大きく上昇してきた銘柄の一つです。

AIサーバーに使われるメモリー需要への期待から株価が急上昇し、その分、市場の期待も非常に高くなっています。

こうした銘柄では、

「業績が悪いから売られる」のではなく、「期待が高すぎるから売られる」

ことがあります。

株価は企業の現在だけを見て動くものではありません。

半年後、一年後の成長まで先回りして動きます。

そのため期待が大きくなりすぎると、少しの不安や利益確定売りでも株価が大きく動くことがあります。

昨夜のMicronの急落は、

AIメモリー需要そのものが突然消えたというより、急上昇した半導体株に対する利益確定と警戒感が強く出た動き

として見る必要がありそうです。

ARMの下落も「AI終了」と決めつけるのは早い

ARMも昨夜は下落しました。

ARMはAI、データセンター、スマートフォンなど、将来の成長期待が非常に大きい企業です。

しかし成長期待が大きい銘柄ほど、株価には未来の期待が先に織り込まれます。

そのため市場全体が、

「少し高くなりすぎたのではないか」

と考え始めると、真っ先に売られやすい特徴があります。

ARMが下落したからAI産業が終わった。

Micronが急落したから半導体需要がなくなった。

私は、そのように単純に考える必要はないと思います。

むしろ今は、

AI産業の成長とAI関連株の株価を分けて考える時期

に入っているのではないでしょうか。

産業が成長していても、すべての関連株が毎日上昇するわけではありません。

良い会社でも株価が高すぎれば調整します。

そして、その調整の中で企業ごとの差が少しずつ見えてきます。

今日の日本市場で確認したい3つのポイント

今日の東京市場では、まず半導体関連株の動きに注目したいと思います。

米国ではMicronやARMが下落した一方、ASMLは強い業績見通しを示しました。

そのため日本の半導体株も、すべて同じ方向に動くのではなく、銘柄ごとの差が出る可能性があります。

二つ目は、日経平均が米国株高を素直に好感できるかです。

米国の主要3指数は上昇しました。

本来なら日本市場にもプラス材料です。

しかし半導体株が不安定なため、指数が上昇しても市場の中身が弱い可能性があります。

日経平均の数字だけではなく、どの業種が買われているのかを見ることが大切です。

そして三つ目は、AI関連株への資金の流れです。

昨夜の米国市場を見る限り、投資家はAIから完全に逃げているわけではありません。

ASMLやBroadcomのように、業績や需要の強さを確認できる企業には資金が向かっています。

つまり、

「AIを売る相場」ではなく、「AI関連株を選別する相場」

になり始めている可能性があります。

今日のひとこと

昨夜の市場で私が一番気になったのは、Micronの約8%下落ではありません。

ASMLが2026年の売上高見通しを引き上げたことです。

株価は短期的に大きく上下します。

しかし半導体製造装置への需要が強く、企業が生産能力を増やそうとしているという事実は、AI設備投資の流れを見るうえで重要なヒントになります。

今は半導体株の値動きが激しく、不安を感じやすい相場です。

だからこそ、

「今日、株価が上がったか下がったか」だけではなく、「企業の需要は本当に弱くなっているのか」

を見ることが大切だと思います。

AI相場は終わったのか。

それとも、次の段階に入っただけなのか。

私は今、後者の可能性を注意深く見ています。

2026年7月16日
Iris Note 朝のマーケットニュース

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