広島で一泊したホテルは、いつも利用している東横INNだった。
全国どこへ行っても同じ安心感があるホテルだから、出張のときは自然と東横INNを選んでしまう。
ところが、この日だけは少し違っていた。
ホテルの看板が赤かった。
見慣れている水色ではなく、鮮やかな赤色だったので、一瞬「間違えて別のホテルに来てしまったのかな」と思ったほどだった。
気になってフロントの方に聞いてみると、「広島東洋カープをイメージしたデザインなんです。」と笑顔で教えてくださった。
なるほど。
その一言で、赤い看板が急に広島らしく見えてきた。
ホテルの外へ出ると、近くのローソンまで赤い看板になっている。
街を歩いているだけで、この街の人たちがカープをどれだけ愛しているのかが伝わってくる。
少し気になって調べてみた。
広島県にある東横INNがすべて赤いわけではなかった。
マツダスタジアムの近くにある、このホテルだけが特別な色をまとっていた。
知らなければ、ただ「珍しいホテルだな」で終わっていたかもしれない。
でも、理由を知るだけで景色は変わる。
旅は遠くへ行くことだけではなく、その土地の小さな物語に出会うことなのかもしれない。
そんなことを思いながら、その日の夜は静かに眠りについた。
次は、私が出張のたびに東横INNを選ぶ理由を書いてみようと思う。



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